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気になっていること

ネタがないので、ちょっとつまらない話を。

ずいぶん前から心の中でチクチクして、いまなおチクチクしている案件がある。このチクチクを解消したいのだけど、まだ最初の1歩を踏み出せていないという現状。

十数年以上前(笑)、まだうら若き女子大生だったころ。

学校の単位で「第2外国語の国で①語学研修をする ②テーマを決めてそれについてレポートを書く」をいうのがあった。①は語学学校に行くのに大変お金がかかるので無理。で、②なら・・・ということで、数年間猛烈にバイトしてお金をためて1ヵ月半ドイツを放浪した、一人で(大学時代はドイツ語を選択(汗)だったのでドイツ行き)。

で、テーマは何にしよう・・・と色々考え、最終的には、第二次世界大戦時にナチスドイツが作らせた『強制収容所』跡地&博物館を『この眼で』みよう・・・ということに。

ポーランドのアウシュヴィッツが有名ですが、実はヨーロッパには数多くの強制収容所が作られ、そのうち結構な数が博物館として残されています。意外なことに、強制収容所の多くが割と大きな都市の非常に近辺にあり・・・ぞっとしました。『博物館見学』と言う観点からなら、『街から近くて行きやすい♪』ですみますが、戦時中はドイツ人が普通に生活している『こんな近くで』大量虐殺が毎日行われており、周囲の人間は「つい先日までよき隣人で会った人たちが、ユダヤ人である、身体が不自由である、共産主義者である、同性愛者である、ナチスに協力的でない・・・などという理由で抹殺されているのを「ぼんやりと、でもはっきり」知りながら、直視しないようにして、普通に生活していた』ということに、計り知れない『異常さ』を感じました。

それにね・・・強制収容所のあるところって、結構、緑が綺麗でのどかなところが多いのです。ほんとにピクニックにでも行きたくなっちゃうような。実際にこの眼で色んな写真、遺品、記録・・・など膨大な資料を見ても、なかなかこれを自分に引き寄せて考えることが難しく、美術館に行って絵画でも見るような・・・「どっか人事」見たいな感じはぬぐえませんでした。レポートそれ自体は褒めてもらえたし、色んな楽しい経験や出会いもあったのですが。たくさん文献も読んだけど、自分でも『肝心なところ』が分かってないという感じがあって、ずっと不完全燃焼、消化不良な感覚として私をイライラさせていました。

で。最近、分かったんです。

「罪もない隣人が焼却場に消えていくのを黙って見送っていた人々」になりたくない・・・と思いつつ、でも実は、自分もそういう「事実を知りながら、見ないように生活している多くの人」の一人だっていうことが。

日本の保健所を見てください。

人間の都合だけで捨てられ、苦しんだ挙句殺され、場合によっては生きたまま焼かれてしまう犬たちのこと。あの恐怖に満ちた瞳。あの子達は何もしていないし、最後の最後まで『助けてくれる手」を待っている。あんなに救いを求めているのに、手を差し伸べようとすればできるのに「差し伸べない」自分。色んな言い訳はあるかもしれない・・・でも、『差し伸べていない』という事実は変わらない。自分の姿に、何十年か前の悲劇の縮図がそのまま投影されていて、ぞっとする。

人間と犬は違うよ・・・っていう人はいるかもしれないけど、本当にそうかしら。
少なくともワタシには「行われていることの基本は同じように見える」。

日本の保健所のほうが更に罪深いね。
捨てない、増やさないという『自由選択肢』がありながら、それを選ばずに『命を捨てた』。先がどうなるかを知っていながら。

とにかく・・・自分に出来ることをする、今はそれしかないけれど。
by teachermakizo | 2008-06-19 10:55 | はは